野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

万葉集 雑歌 志貴皇子(しきのみこ)

葦辺行く 鴨の羽交ひに 霜降りて 寒き夕は 大和し思ほゆ

(あしへゆく かものはがひに しもふりて さむきゆふへは やまとしおもほゆ)

                                  志貴皇子

                              万葉集・巻一・64

 〈現代語訳・口語訳〉

葦べを泳ぐ鴨の背に霜が降り、寒い夕暮は、大和が思われてならない。

 

志貴皇子(しきのみこ)

668年~716年)

日本の飛鳥時代末期から奈良時代初期にかけての皇族。芝基皇子または施基皇子、志紀皇子とも記す。天智天皇第7皇子。位階は二品。 皇位とは無縁で文化人としての人生を送った。しかしその薨去から54年後に、息子の白壁王が即位し、春日宮御宇天皇の追尊を受けることとなった。