野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

医療を豊かにするための提案 負担増と給付減をともなわない予防医療による医療費削減と未来医療の創造

 

健康立国プログラム 〜予防医療と未来の医療創造の両立〜

 

日本は今、増大する医療費という避けられない課題に直面しています。このままでは、将来、誰もが必要な医療を十分に受けられなくなる可能性があります。この喫緊の課題に対し、単なるコスト削減にとどまらない、未来志向の解決策として提案するのが、この「健康立国プログラム」です。

 

本プログラムは、病気になる前の「予防医療」に国家として戦略的に投資します。それによって削減できた医療費を再び日本の医療システム全体に大胆に再投資することで、医療の質と持続可能性を劇的に向上させ、国民全員が長く健康で充実した人生を送れる「健康立国」を築き上げることを目指します。

 

 

柱1 予防医療による医療費5兆円削減

 

私たちは、疾病の発生そのものを抑制し、たとえ病気になっても重症化させないことで、現在の医療費から年間5兆円の削減を目指します。これは、国民一人ひとりの健康寿命を延伸し、社会全体の活力を高めるための、最も賢明な「先行投資」です。

 

1. データとAIで「あなただけの予防医療」を実現!

 

国民一人ひとりの健康に関する膨大なデータを最大限に活用し、最も効果的でパーソナルな予防策を日常的に提供します。

 

  • 「健康情報連携システム」の構築と運用強化

    • 国民が同意した上で、健康診断結果、医療機関受診歴、服薬情報、ワクチン接種歴といった基本的な健康情報を横断的に連携する「健康情報連携システム」を全国規模で構築します。これにより、個人の健康状態が多角的に、そして継続的に把握できるようになります。

    • さらに、希望者には、スマートウォッチなどのウェアラブルバイスからの活動量や睡眠データ、そしてゲノム情報といった詳細なデータもシステムに連携できるようにします。これにより、より深く、多層的に個人の健康特性を理解することが可能になります。

    • このシステムは、厳格なプライバシー保護基準とセキュリティ対策のもとで運用され、データの匿名化や利用目的の透明化を徹底し、国民の安心感を確保します。

  • AIによる精密なリスク予測とパーソナルヘルスアドバイス

    • 連携された膨大な健康データを、最先端のAI(人工知能)が高速かつ精密に解析します。これにより、「あなたは5年以内に糖尿病を発症するリスクが〇%あります」といった具体的な疾病発症リスクを予測します。

    • この予測に基づき、AIは一人ひとりの健康状態、生活習慣、遺伝的素因に合わせた最適な予防プログラムを提案します。例えば、「あなたに必要なウォーキング量とペース」「不足している栄養素を補うための具体的な食事メニュー」「今すぐ受けるべき精密検査とその時期」など、具体的な行動を促すアドバイスを、スマートフォンアプリなどを通じてタイムリーに提供します。

    • アドバイスは、専門用語を避け、分かりやすい言葉で、行動に移しやすい形で提示されます。

  • 健康行動へのインセンティブ付与と継続支援

    • AIが提案する予防プログラムの目標(例:1日8,000歩達成、野菜摂取量〇グラム増加など)を達成するたびに「健康ポイント」が付与されます。

    • このポイントは、医療費自己負担分の一部割引健康関連商品(例:フィットネスウェア、健康器具)の購入割引、提携しているスポーツジムや温浴施設の利用料割引、さらには地元の商店街で使える地域通貨への交換など、直接的な経済的メリットに繋がるように設計されます。これにより、国民が健康になること自体が「得」であるという意識を高め、健康行動の継続を強力に支援します。

  • 地域専門家チームによる統合的サポート体制

    • 健康情報連携システムで共有されるデータを活用し、医師、保健師、管理栄養士、理学療法士公認心理師など、多様な専門家が連携して、個別のリスクに応じたきめ細やかな保健指導や早期介入を強化します。

    • 地域の健康保険組合も、システムから得られる加入者の健康データを分析し、その地域や集団特有の健康課題に応じた予防プログラム(例:特定の生活習慣病予防教室、地域ごとのメンタルヘルス研修)を企画・実施し、その成果に応じた評価を行います。

 

2. 病院の「地域健康支援拠点」化

 

病院は、従来の「病気を治す場所」という役割から一歩進んで、「病気を未然に防ぎ、地域住民の健康を総合的に育む場所」へと、その機能を拡大します。

 

  • 「地域健康支援病院」制度の導入と機能拡充

    • 地域住民の健康増進に積極的に取り組む病院を、国が「地域健康支援病院」として認定する制度を導入します。これらの病院には、その貢献度に応じて診療報酬上の優遇措置や特別補助金が検討されます。

    • 認定病院内には、専門の「予防医療センター」を設置します。ここには、医師だけでなく、看護師、管理栄養士、運動指導士、歯科衛生士、公認心理師、医療ソーシャルワーカーなど、多様な専門家が常駐します。

    • センターでは、疾病予防、生活習慣病改善、メンタルヘルスケア、介護予防に関する個別相談に応じるほか、運動教室、ヘルシー料理教室、禁煙サポートプログラム、認知症予防プログラム、フレイル予防教室など、住民のニーズに合わせた多様な健康プログラムを定期的に開催します。

    • 地域の公民館や保健センター、ショッピングモールなどにある「地域健康ステーション」とも密接に連携します。病院の専門家が地域に出向いて出張相談会やミニ健康講座を実施するなど、病院への心理的・物理的敷居を下げ、住民が予防医療にアクセスしやすい環境を整備します。

  • 「退院後の予防継続支援」プログラムの義務化

    • 病気で入院した患者さんが退院する際、単に治療を終えるだけでなく、その後の再発予防や重症化予防のために必要な生活習慣改善指導、リハビリテーション、服薬指導などを、地域のクリニックや訪問看護ステーション、介護施設と連携して継続的にサポートするプログラムを義務化します。これにより、入院後の再入院率の抑制を目指します。

  • 「健康経営優良法人」認定企業との連携強化

 

3. 「健康の日」制定と国民向けキャンペーン

 

国民全体が健康について意識し、行動するきっかけを創出し、社会全体で健康を重視する文化を醸成します。

  • 国民の祝日「健康の日」の制定

    • 国民の祝日として「春の健康の日(仮称)」「秋の健康の日(仮称)」を新たに制定します。これは、日本の季節の変わり目に合わせ、国民が自身の健康と真剣に向き合い、健康寿命を延ばすことを目指す日として位置付けます。単なる休日としてではなく、「健康アクションデー」としての意識を国民に深く浸透させます。

  • 「健康の日」を核とした「全国健康強化週間」の実施

    • 「健康の日」を含む1週間を「国民健康強化週間」と定め、国を挙げた大規模な健康促進キャンペーンを全国で集中して実施します。

    • 健診受診促進のための特別体制の確立 この期間中、全国の病院や健診センターは、土日祝日や夜間・早朝も健診や専門外来を特別に開設します。これにより、普段仕事などで忙しい働き世代が、自身の都合に合わせて健診を受けやすい環境を整備します。また、健康診断、がん検診、歯科検診など、複数の種類の健診を一度に効率よく受けられる「ワンストップ健診」を推進します。

    • 無料の地域健康教室・イベント祭りの開催 全国の自治体、地域健康ステーション、病院、スポーツ施設、公民館などで、無料で参加できる多様な健康教室や体験型イベントを同時多発的に開催します。例えば、専門医による「病気の予防と健康寿命の延ばし方」に関する分かりやすい講演会、親子が一緒に楽しめる「運動レクリエーション」、地域の旬の食材を使った「ヘルシー料理教室の実演と試食会」、専門家による「ストレスケアとリラックス体験会」など、誰もが楽しく健康に触れられる機会を増やします。

    • メディア連携による国民的啓発活動 テレビ、ラジオ、主要なウェブサイト、SNSなど、あらゆるメディアを通じて、予防医療の重要性や「健康強化週間」のイベント情報を大々的に発信します。著名人やインフルエンサーにも協力を依頼し、健康にまつわるチャレンジ企画などを展開することで、特に若い世代を含む幅広い国民の健康への関心を高めます。

 

柱2 削減した5兆円を「未来の医療」へ再投資!

 

予防医療によって削減できた5兆円は、単に国庫に貯めるのではありません。これらの資金は、「健康未来投資基金」として積み立てられ、日本の医療システム全体の質と持続可能性を飛躍的に高めるために、以下の3つの重要分野に戦略的に再投資されます。

 

1. 病院の経営改善と最新設備投資(約2兆円を再投資)

 

医療現場の基盤を強化し、患者さんへより質の高い医療を持続的に提供できる強固な体制を構築します。

  • 老朽化した医療設備の刷新と最新医療技術の導入支援

    • 特に地方の中小病院や、予防医療に積極的に取り組む病院に対し、MRICTスキャン、手術支援ロボット、遠隔診療システム、最新の検査機器など、高額な医療設備の導入費用を国が手厚く補助します。これにより、診断の精度向上と治療の効率化を図り、結果として早期発見・早期治療に繋がり、患者の負担軽減と医療費の適正化にも貢献します。

  • 病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進

    • 電子カルテシステムの高度化、AIを活用した診断支援システム、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による事務作業の自動化など、病院業務のデジタル化を推進するための資金を提供します。これにより、医療従事者の事務負担を大幅に軽減し、より患者さんと向き合う時間を創出することで、医療サービスの質全体の向上に繋げます。

  • 病院経営の安定化支援と地域医療継続への投資

    • 経営改善計画を条件に、特に財政的に困難な状況にある病院の借入金の一部返済を支援します。これにより、病院経営の安定化を図り、過疎地域や離島など、医療過疎地における医療提供体制の継続性を確保します。

 

2. 医療人材の育成と確保(約1.5兆円を再投資)

 

将来の医療を支える優秀で意欲ある人材を継続的に育成し、安定的に確保するための長期的な投資を行います。

  • 専門医・看護師・コメディカルの育成プログラム強化

    • 予防医療、高齢者医療、地域医療、在宅医療、そして最先端医療など、今後需要が拡大する分野の専門医、専門看護師、および理学療法士作業療法士、管理栄養士、薬剤師といったコメディカル(医療技術者)の育成のため、研修プログラムの開発、国内外への留学支援、専門資格取得支援を大幅に拡充します。

  • 医療系教育機関への支援と奨学金制度の拡充

    • 医師、看護師、薬剤師など、医療現場を支える人材を安定的に供給するため、医療系の大学や専門学校への教育費補助を増額します。また、経済的な理由で医療の道を諦めることがないよう、学生への返済不要の奨学金制度を拡充します。特に、将来的に予防医療分野や地域医療に従事する学生には、優先的な奨学金枠や優遇措置を設けます。

  • 医療従事者のキャリア支援と働き方改善

    • 結婚・出産・育児などで一時的に離職した医療従事者がスムーズに復職できるよう、復職研修やブランク解消支援プログラムを充実させます。また、柔軟な働き方(時短勤務、リモートワーク、パートタイム勤務など)を可能にする職場環境整備(院内保育所の設置、ベビーシッター費用補助など)への補助金を提供し、医療従事者が長く働き続けられる環境を整えます。

 

3. 医療従事者の賃上げと処遇改善(約1.5兆円を再投資)

 

医療の最前線を支える医療従事者の労働環境と処遇を抜本的に改善し、彼らが働きがいを持って質の高い医療サービスを提供できる環境を整備します。

 

  • 基本給・各種手当の大幅増額

    • 医師・看護師・医療技術者など、全ての医療従事者の基本給や各種手当(夜勤手当、危険手当、地域手当、役職手当など)を大幅に増額するよう、国が強力に推奨・補助します。これにより、彼らの努力と責任に見合う適正な報酬を確保し、モチベーションの向上と優秀な人材の確保・定着を目指します。

  • 働き方改革の推進と労働環境改善

    • 医療機関における長時間労働の是正(労働時間の上限規制遵守への支援)、タスクシフト・シェア(医師から看護師、コメディカルへの業務分担)の推進、福利厚生の充実(メンタルヘルスケアの強化、休憩時間の確保など)に対する補助金を提供し、医療従事者が心身ともに健康で働きやすい環境を整備します。

  • 予防医療への貢献度に応じたインセンティブ評価

    • 予防医療に積極的に取り組み、国民の健康寿命延伸に顕著な貢献をした医療機関や個々の医療従事者に対し、「予防医療功労手当」「健康成果報酬」などの形で追加のインセンティブを支給します。これにより、予防医療への取り組みをさらに促進し、その努力を正当に評価します。

 

「健康立国プログラム」が目指す日本の未来

 

この「健康立国プログラム」は、医療費の削減だけを目的とするものではありません。

私たちは、国民が安心して健康に暮らせる社会を築き、一人ひとりの健康寿命を最大限に延ばし、社会全体の活力を高めることを目指します。予防医療で削減した財源を、病院の機能強化、優秀な人材育成、そして医療従事者への正当な評価と処遇改善に再投資することで、日本の医療システムは質的にも量的にも大きく進化します。

これは、国民一人ひとりの健康寿命を延ばし、次の世代に持続可能で質の高い医療を提供できる「健康立国」の礎を残すための、国家としての戦略的投資です。