『万葉集』は、
日本最古の歌集であり、約4500首もの和歌が収められています。奈良時代に編纂されたとされ、その編集には大伴家持が深く関わったと考えられています。この歌集は、日本文学史上の宝であり、当時の人々の暮らしや思想、文化を知る手がかりとなっています。
『万葉集』は多くの歌人による和歌が収められている、日本最古の歌集です。その中でも特に名を残している代表的な歌人について詳しくご紹介します。
1. 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
- 概要 「歌聖」とも称される彼は、『万葉集』の中で最も重要な歌人の一人です。宮廷に仕える歌人として、天武天皇や持統天皇に捧げる歌を数多く詠みました。
- 特徴 自然や天皇を讃える壮大な叙事的歌が特徴で、詠まれる言葉は力強く、国家や歴史を象徴するものとして後世に影響を与えました。
- 代表作
- 「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」
美しい夜明けの情景を詠みながら、人間の小ささや自然の雄大さを描写。
2. 山部赤人(やまべのあかひと)
- 概要 「自然詠の名手」として知られる赤人は、自然の美しさを詠む歌が多く、その表現は非常に繊細です。柿本人麻呂と並び称される存在であり、自然への感動を詩に昇華しました。
- 特徴 景色を静かに観察し、そのままの美しさを詠むことに長けています。彼の歌は感情が直接ではなく、自然の風景を通じて間接的に表現されています。
- 代表作
- 「田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける」
富士山を詠んだこの歌は、日本人の自然観を象徴する一首。
3. 額田王(ぬかたのおおきみ)
- 概要 飛鳥時代の女性歌人で、恋愛や自然、旅立ちなどを題材にした歌が多く、万葉集における女性歌人として重要な位置を占めています。
- 特徴 恋愛の喜びと苦しみを繊細に描き出し、また旅先の自然や心情を力強く詠んでいます。彼女の感性豊かな表現は、後世の女性歌人に大きな影響を与えました。
- 代表作
- 「熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」
旅立ちの緊張感と期待感を、情景を通じて詠んだ歌。
4. 大伴家持(おおとものやかもち)
- 概要 奈良時代末期に活躍し、『万葉集』の編纂にも関わった歌人です。越中国(現在の富山県)で国司を務めていた際、多くの歌を詠みました。
- 特徴 四季折々の自然や地域の風景、さらには個人的な感情を繊細に表現する一方、政治的テーマや社会的視点を取り入れた歌も数多く残しています。
- 代表作
- 「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」
新年を祝いながら希望を詠む、明るく希望に満ちた一首。
これらの歌人たちは、それぞれ独自の感性と表現で日本の初期文学を彩りました。
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