野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

『Don't Know Why 』 ノラ・ジョーンズ

『Don`t Know Why』 ノラ・ジョーンズ

 

「Don't Know Why」は、ノラ・ジョーンズの音楽キャリアを象徴する楽曲であり、彼女のデビューアルバム『Come Away with Me』に収録された代表曲です。この曲は、シンガーソングライターのジェシー・ハリスによって作詞・作曲され、もともとは彼のアルバム『Jesse Harris and the Ferdinandos』に収録されていました。ノラ・ジョーンズがこの曲をカバーしたことで広く知られるようになり、彼女の柔らかく温かみのあるボーカルが特徴的な楽曲となりました。

 

音楽的特徴

 

「Don't Know Why」は、ジャズ、ブルース、フォークの要素を融合させた楽曲であり、ノラ・ジョーンズの音楽スタイルを確立する上で重要な役割を果たしました。彼女の歌声は、シンプルながらも深い感情を伝えるものであり、ピアノの穏やかな旋律とともに、リスナーに心地よい余韻を残します。楽曲の構成は比較的シンプルでありながら、洗練されたアレンジが施されており、ジャズの伝統を受け継ぎながらもポップミュージックとしても親しまれています。

 

歌詞の意味

 

歌詞は、切ない愛の喪失や後悔をテーマにしており、主人公が「なぜ行かなかったのか」と自問する場面が繰り返されます。これは、愛する人のもとへ行くべきだったのに、それができなかったという後悔の念を表しており、静かでありながらも深い感情が込められています。

 

受賞と評価

 

この曲は、2003年のグラミー賞最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞(ジェシー・ハリスが受賞)、最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞の3部門を受賞し、ノラ・ジョーンズの名を世界に知らしめるきっかけとなりました。また、商業的にも成功を収め、Billboard Hot 100では30位にランクインし、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは4位を記録しました。

 

カバーと影響

 

「Don't Know Why」は、多くのアーティストによってカバーされており、ジャズ界でもさまざまなミュージシャンが演奏しています。例えば、ハロルド・メイバーン・トリオやヨーロピアン・ジャズ・トリオがこの曲を取り上げ、ジャズのスタンダードとしての地位を確立しました。また、日本では平井堅がカバーアルバム『Ken's Bar』でこの曲を取り上げ、作曲者のジェシー・ハリスがギターで参加しています。

 

曲調と聞きどころ

 

「Don't Know Why」は、ノラ・ジョーンズのデビューアルバム『Come Away with Me』に収録された楽曲で、ジャズ、ポップ、カントリーの要素が融合した穏やかで情感豊かなバラードです。彼女のスモーキーな歌声と、シンプルながらも洗練されたピアノの旋律が特徴的で、リスナーに深い余韻を残します。

 

曲調

 

この曲は、ゆったりとしたテンポ(約88BPM)で進行し、ジャズの繊細さとポップの親しみやすさを兼ね備えています。コード進行は比較的シンプルですが、GM7、CM7、Em7、A7などのジャズ的な響きを持つコードが使用されており、柔らかく温かみのあるサウンドを生み出しています。ピアノのアルペジオが楽曲全体を包み込み、ノラ・ジョーンズのボーカルが穏やかに語りかけるような雰囲気を作り出しています。

 

聞きどころ

 

  1. イントロのピアノ
    曲の冒頭からピアノのシンプルな旋律が流れ、リスナーを優しく迎え入れます。ここでのピアノの音色は、ジャズの洗練された響きを持ちつつも、ポップスとしての親しみやすさを感じさせます。

  2. ノラ・ジョーンズのボーカル
    彼女の歌声は、息遣いが感じられるほどナチュラルで、まるで語りかけるような優しさがあります。特に「I don’t know why I didn’t come」というフレーズの繰り返しが、切ない感情を強調しています。

  3. コード進行の美しさ
    GM7からCM7への流れは、ジャズらしい洗練された響きを持ち、楽曲全体に落ち着いた雰囲気を与えています。特にEm7からA7への進行は、微妙な緊張感を生み出し、歌詞の持つ切なさを際立たせています。

  4. 間奏のピアノソロ
    シンプルながらも情感豊かなピアノソロが挿入されており、楽曲の静かな美しさを際立たせています。ここでは、ノラ・ジョーンズのジャズ的なアプローチが感じられ、彼女の音楽的ルーツが垣間見えます。

 

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