野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

百人一首 二十番 元良親王(もとよししんのう)

わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ

(わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ)

                                   元良親王

〈現代語訳・口語訳〉

あなたにお逢いできなくて、このように思いわびて暮らしていると、今はもう身を捨てたのと同じことです。いっそのこと、あの難波のみおつくしのように、この身を捨ててもお会いしたいと思っています。

 

※みをつくし

澪標(みをつくし)は、船の入り江を航行する時の目印になるように立てられた杭のことで、身を滅ぼすほどに恋こがれる意味の「身を尽くし」と掛詞(かかりことば)になっています。

 

元良親王