立ち別れ いなばの山の 峰に生きる まつとし聞かば 今帰り来む
(たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ)
中納言行平
〈現代語訳・口語訳〉
あなたと別れて因幡の国へ行くけれども、稲葉の山の峰に生えている松のように、あなたが待っていると聞いたなら、すぐにも都に帰ってまいりましょう。
※中納言行平
在原行平のこと。平安時代初期から前期にかけての公卿・歌人。平城天皇の第一皇子である弾正伊・阿部親王の次男(または三男)。官位は正三位・中納言。小倉百人一首では中納言行平。
