君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
(きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ)
光孝天皇
〈現代語訳・口語訳〉
あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいましたが、春だというのにちらちらと雪が降ってきて、私の着物の袖にも雪が降りかかっています。それでも、あなたのことを思いながら、こうして若菜を摘んでいるのです。
※光孝天皇
(在位884年~887年)(830年~887年)
第58代。仁明天皇の第三皇子。母は藤原総継の娘。温厚な性格で学問を好んだ。

光孝天皇