夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ
(なつののの しげみにさける ひめゆりの しらえぬこひは くるしきものそ)
万葉集・巻八・1500
〈現代語訳・口語訳〉
夏草の繁る野の底に咲いている姫百合のように、人知れず思う恋はつらいものです。
※大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)
(生没年不詳)
『万葉集』の代表的歌人。大伴安麻呂と石川内命婦の娘。大伴稲公の姉で、大伴旅人の異母妹。大伴家持の叔母で姑でもある。『万葉集』には、個入第3位の歌数で、長歌・短歌合わせて84首が収録され、額田王以降、最大の女性歌人である。坂上郎女の通称は坂上の里(現・奈良市法蓮町北町)に住んだためと言われている。
