陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
(みちのくの しのぶんもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに)
河原左大臣
〈現代語訳・口語訳〉
奥州のしのぶもじずりの乱れ模様のように、私の心も恋のために乱れていますが、いったい誰のためにこのように思い乱れているのでしょう。きっとあなたの所為(しょい)に違いありません。
※河原左大臣(かわらのさだいじん)
源融(みなもとのとおる)のこと。嵯峨天皇の第十二皇子(嵯峨第十二源氏)。平安時代初期から前記にかけての貴族。嵯峨源氏融流初代。河原院、河原左大臣と呼ばれた。

源融(菊池容斎『前賢故実』)