野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

百人一首 十四番 河原左大臣(かわらのさだいじん)

陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに

(みちのくの しのぶんもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに)

                                 河原左大臣

〈現代語訳・口語訳〉

奥州のしのぶもじずりの乱れ模様のように、私の心も恋のために乱れていますが、いったい誰のためにこのように思い乱れているのでしょう。きっとあなたの所為(しょい)に違いありません。

 

河原左大臣(かわらのさだいじん)

源融(みなもとのとおる)のこと。嵯峨天皇の第十二皇子(嵯峨第十二源氏)。平安時代初期から前記にかけての貴族。嵯峨源氏融流初代。河原院、河原左大臣と呼ばれた。

 

源融菊池容斎前賢故実』)