野島春樹の沈思黙考

心に移ろいゆくよしなしごと

文学

阿波野青畝(あわのせいほ) 俳句 鯉のぼり

酪農の 殖えゆく家族 鯉のぼり (らくのうの ふえゆくかぞく こいのぼり) 阿波野青畝(あわのせいほ) 〈意味〉 酪農を営む家族が増えていく。その家の庭には、元気に泳ぐ鯉のぼりが立っている。

伊東よし子 俳句 茶

照葉添ふ 志野の花筒 薄茶点つ (てりはそふ しののはなつつ うすちゃたつ) 伊東よし子 〈意味〉 照葉が添えられた志野焼の花筒に、薄茶を点てる。 ※照葉(てりは)紅葉した葉 ※志野 志野焼(美濃焼の一種) ※花筒 花を生ける筒状の器 ※薄茶 抹茶の点て方の一…

加賀千代女(かがのちよじょ) 俳句 夏

蛍火や よしなき道も そこらほど (ほたるびや よしなきみちも そこらほど) 加賀千代女 〈意味〉 蛍が舞って光っているなぁ。あまり歩くにはよくない道だが、蛍にいない道に比べればそれほど悪くはない。

紀貫之(きのつらゆき)

紀貫之の生涯 生い立ちと家系 紀貫之(きのつらゆき)は、平安時代前期から中期にかけて活躍した貴族・歌人です。彼は紀氏の出身で、父は紀望行でした。紀氏は古くから朝廷に仕えた家柄であり、貫之もその流れを受け継ぎました。幼名は「阿古久曽(あこくそ…

高市黒人(たけちのくろひと) 和歌 万葉集 雑歌

旅にして もの恋しきに 山下の 赤のそほ船 沖を漕ぐ見ゆ (たびにして ものこほしきに やましたの あけのそほふね おきをこぐみゆ) 高市黒人 万葉集・巻三・270 〈現代語訳・口語訳〉 旅にあって、何となく物恋しいのに、山下の赤丹(あかに)を塗った舟が…

ヴォルテール 名言 文学

“文学は肉声の絵画である。肉声に似ているほど、その文学はすぐれている。” ヴォルテール(「断片」) ヴォルテール

右城暮石(うしろぼせき)

右城暮石の生涯 幼少期と青年期 右城暮石(本名:右城齊)は1899年、高知県長岡郡本山町に生まれました。彼の俳号「暮石」は故郷の地名に由来しています。幼少期は本山高等小学校に通いましたが、1913年に中退し、土佐電鉄に入社。その後、社会運動家の岡本…

右城暮石(うしろぼせき) 俳句 ツツジ

山つつじ 折り来て活ける 花器探す (やまつつじ おちきていける かきさがす) 右城暮石 〈意味〉 山につつじを摘んできて、それを生けるのにふさわしい花器を探している。

飴山實(あめやまみのる) 俳句 桜

奥山の 風はさくらの 声ならむ (おくやまの かぜはさくらの こえならむ) 飴山實 〈意味〉 奥山の風は桜の声なのだろう。

藤原興風(ふじわらのおきかぜ)

藤原興風の生涯 出自と家系 藤原興風は藤原京家の出身で、参議・藤原浜成の曾孫にあたります。父は藤原道成で、興風も地方官としての役職を歴任しました。藤原京家は藤原四家の中でも比較的地位が低い家系でしたが、文化的な活動に積極的であり、興風もその…

百人一首 三十四番 藤原興風(ふじわらのおきかぜ)

誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに (たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに) 藤原興風 〈現代語訳・口語訳〉 友達は次々と亡くなってしまったが、これから誰を友とすればいいだろう。馴染みあるこの高砂の…

狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ) 和歌 万葉集 相聞

君が行く 道のながてを 繰り畳ね 焼きほろぼさむ 天の火もがも (きみがゆく みちのながてを くりたたね やきほろぼさむ あめのひもがも) 狭野弟上娘子(さののおとがみのをとめ) 万葉集・巻十五・3724 〈現代語訳・口語訳〉 あなたのいらっしゃる道の…

中村草田男(なかむらくさたお) 俳句 躑躅(つつじ)

吾子の瞳に 緋躑躅宿る むらさきに (あこのめに ひつつじやどる むらさきに) 中村草田男 〈意味〉 わが子の瞳の中に緋躑躅の鮮烈な色彩が深く染み込み、紫の輝きを帯びている

細見綾子(ほそみあやこ) 俳句 桜

葉桜の 下帰り来て 魚に塩 (はざくらの したかえりきて うおにしお) 細見綾子 〈意味〉 すっかり葉桜になった桜の木の下を帰って来て、下ごしらえとして魚に潮を振った。

紀友則(きのとものり)

紀友則の生涯 幼少期と家系 紀友則は、平安時代前期の名門・紀氏の出身で、紀有友の子として生まれました。紀氏は古代から続く家柄であり、学問や文化の分野で優れた人材を輩出していました。彼の従兄弟には紀貫之がいて、後に文学的なパートナーとなりまし…

百人一首 三十三番 紀友則(きのとものり)

久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ (ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ) 紀友則 〈現代語訳・口語訳〉 こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるのに、どうして落ち着いた心もなく、花…

東歌(常陸) 作者不詳 和歌 万葉集 相聞

筑波嶺の 嶺ろに霞居 過ぎかてに 息づく君を 率寝て遣らさね (つくはねの ねろにかすみゐ すぎかねて いきづくきみを ゐねてやらさね) 東歌(常陸) 作者不詳 〈現代語訳・口語訳〉 筑波山の頂に霞がかかってうごかないように、通りすぎかねて溜息をついてい…

トルストイ

トルストイの生涯 幼少期と青年期 レフ・トルストイは1828年にロシア帝国のヤースナヤ・ポリャーナで生まれました。彼の家系は貴族であり、父方も母方も歴代の皇帝に仕えた由緒ある家柄でした。しかし、幼少期に母親を亡くし、9歳のときには父親も他界。その…

木村蕪城(きむらぶじょう)

木村蕪城の生涯 木村蕪城(きむら ぶじょう)は、昭和期の俳句界において独自の足跡を残した俳人であり、俳句結社「夏炉」の創設者としても知られています。 生い立ちと俳句への道 木村蕪城は1913年(大正2年)6月20日に鳥取県境港市で生まれました。本名は…

木村蕪城(きむらぶじょう) 俳句 ツツジ

家庭訪問 つつじまつりの 中通る (かていほうもん つつじまつりの なかとおる) 木村蕪城 〈意味〉 家庭訪問の教師がつつじ祭りの中を通っている

水原秋桜子(みずはらしゅうおうし) 俳句 桜

山桜 雪嶺天に 声もなし (やまざくら せつれいてんに こえもなし) 水原秋桜子 〈意味〉 山桜が咲いている。見上げれば雪の峰が続き、その上に広がる天に声も出ない。

春道列樹(はるみちのつらき)

春道列樹の生涯 春道列樹(はるみちのつらき)は、平安時代前期の官人であり、優れた歌人としても知られています。 出自と官職 春道列樹は、主税頭(あるいは雅楽頭とも伝えられる)を務めた春道新名の子として生まれました。彼の家系は、古代の有力氏族であ…

百人一首 三十二番 春道列樹(はるみちのつらき)

山川に 風にかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり (やまがわに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみじなりけり) 春道列樹 〈現代語訳・口語訳〉 山の中の川に、風が掛けた流れ止めの柵(しがらみ)がある。それは、流れきれないでいる…

遣新羅使人 和歌 万葉集

我のみや 夜舟は漕ぐと思へれば 沖辺の方に梶の音すなり (われのみや よふねはこぐと おもへれば おきへのかたに かぢのおとすなり) 遣新羅使人 万葉集・巻十五・3624 〈現代語訳・口語訳〉 われわれだけが夜の海を漕いでいると思っていると、沖の方から…

宝井其角(たからいきかく) 俳句 春

花に酒 僧とも侘ん 塩ざかな (はなにさけ そうともわびん しおざかな) 宝井其角 〈意味〉 花には酒だ。僧侶と飲むには侘びが必要だろう。塩を肴に酒を飲もう。

鷹羽狩行(たかはしゅぎょう)

鷹羽狩行の生涯 幼少期と俳句への道 鷹羽狩行(本名:髙橋行雄)は1930年に山形県新庄市で生まれました。父は土木技師であり、その仕事の関係で広島県瀬戸田町(現在の尾道市)で少年期を過ごしました。1943年に旧制尾道商業高校に入学し、1946年に教師・新…

鷹羽狩行(たかはしゅぎょう) 俳句 桜

一本も なし南朝を 知る桜 (いっぽんも なしなんちょうを しるさくら) 鷹羽狩行 〈意味〉 一本もないんだな、かつて南朝があった頃を知る桜は。

坂上是則(さかのうえのこれのり)

坂上是則の生涯 坂上是則(さかのうえのこれのり)は、平安時代前期から中期にかけて活躍した貴族・歌人であり、三十六歌仙の一人として名を残しています。 1. 家系と背景 坂上是則は、坂上氏の一員として生まれました。坂上氏は、征夷大将軍として名高い坂…

百人一首 三十一番 坂上是則(さかのうえのこれのり)

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 触れる白雪 (あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき) 坂上是則 〈現代語訳・口語訳〉 夜が明ける頃あたりを見てみると、まるで有明の月が照らしているのかと思うほどに、吉野の…

大伴旅人 和歌 万葉集 冬 雑歌

沫雪の ほどろほどろに 降りしけば 奈良の都に 思ほゆるかも (あわゆきの ほどろほどろに ふりしけば ならのみやこに おもほゆるかも) 大伴旅人 万葉集・巻八・1639 〈現代語訳・口語訳〉 沫雪がまだらに降りつづくと、平城京がおもわれることよ。 ※沫雪…