文学-日本文学-和歌・短歌-大伴家持
春の園 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (はるのその くれなゐにほふ もものはな したてるみちに いでたつをとめ) 大伴家持 万葉集・巻十九・4139 〈現代語訳・口語訳〉 春の苑に紅が照り映える。桃の花の下の輝く道に、現れ立つ乙女。
油火の 光りに見ゆる 吾がかづら 百合の花の 笑まはしきかも (あぶらひの ひかりにみゆる わがかづら さゆりのはなの ゑまはしきかも) 大伴家持 万葉集・巻十八・4086 〈現代語訳・口語訳〉 燈火の光の中に見える私の蘰(かつら)、この百合の花がほほえま…
鵲(かささぎ)の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける (かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける) 大伴家持 〈現代語訳・口語訳〉 かささぎが渡したという天上の橋のように見える宮中の階段であるが、その上に…
振り放けて 三日月見れば 一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも (ふりさけて みかづきみれば ひとめみし ひとのまよびき おもほゆるかも) 大伴家持 万葉集・巻六・994 〈現代語訳・口語訳〉 空遠くふり仰いで三日月を見ると、一目だけ見た人の引き眉が思われ…
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心悲しも 独し思へば (うらうらに てれるはるひに ひばりあがり こころかなしも ひとりしおもへば) 大伴家持 万葉集・巻十九・4292 〈現代語訳・口語訳〉 うららかに照っている春の日に、雲雀が飛びかけり、心は悲…
我が宿の いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕かも (わがやどの いささむらたけ ふくかぜの おとのかそけき このゆふへかも) 大伴家持 万葉集・巻十九・4291 〈現代語訳・口語訳〉 わが家のわずかな群竹を過ぎる風の音のかすかな、この夕暮よ。
大伴家持(おおとものやかもち)は、 奈良時代を代表する歌人であり政治家です。彼の生涯と功績を以下に詳しくご紹介します。 生涯 生誕と家系 718年頃に大伴旅人の長男として生まれました。大伴氏は武門の名門であり、家持もその一員として育ちました。 幼…
なでしこが その花にもが 朝な朝な 手に取り持ちて 恋ひぬ日なけぬ 大伴家持 万葉集・第三巻・408 〈現代語訳・口語訳〉 あなたが撫子(なでしこ)の花だったらなあ。そうしたら毎朝、手に取って愛でるのに。 ※大伴家持が坂上大嬢(さかのうえのおおいら…